口腔がん検診
口腔がんとは?
口腔がんは、口の中の粘膜などの細胞が変化し顎や口腔領域に発生する悪性腫瘍の総称です。
口腔は歯以外の表面が歯肉や舌の粘膜などの『扁平上皮』と言われる粘膜で覆われています。
口腔がんは、病理組織検査(電子顕微鏡で細かく調べる検査)を行った時に、90%以上は扁平上皮由来の『扁平上皮癌』であり,その他としては唾液腺に由来する唾液腺癌や悪性リンパ腫などがあります。
口腔がん患者数
口腔がん単独の正確な全国調査は実施されていません。
わが国における全体のがん罹患数は2019年には100万件、そのうち口腔・咽頭領域では2万件と統計予測が出ています。
また、口腔がんの死亡率は米国では19.8%に対して日本では35%と高くなっています。
(出典:2016年国立がん研究センター)
年齢による口腔癌患者の男女比は3:2と男性に多く,年齢的には60 歳代に最も多くなっています。
人口の高齢化に伴って口腔癌罹患数も増加しつつあります。
口腔がんの病期
口腔がん単独の初診時の病期について全国的に調査は行われていません。
口腔がんの病期はStage1〜4に分類されており、進行したがんはStage3、4に分類されます。
2014年の大阪大学の調査によると、口腔がん2,082例のうち大阪大学口腔外科を受診した患者さんのうち47%がStage3.4であったとの報告があります。
なぜ日本では口腔がん死亡率が高いのか?
実際に口腔がんに罹患された患者様に聞くと、
①ただの口内炎だと思っていた
②自然に治ると思い放置していた
③痛みがないのでそのままにしておいた
などの理由で口腔内への関心が少なく、歯科医院や口腔外科を受診するまでに時間がかかっており、発見が遅れ、その間にがんが進行していたケースがみられるのが現状です。
口腔がん検診の必要性
口腔がんは本来、早期発見・治療ができれば命を落とすケースは少ないのです。
口腔がん検診では、患者さんのお口の中を隅々までチェックします。
チェックしたものをデータ化し、患者様に口腔内のリスクを説明させて頂きます。
お口の中をすべてチェックすることにより、本人が自覚できない病変等を見つけることが可能です。
また、口腔がんは発見が遅れると患部を大幅に切除する必要があり、そういったケースでは発音や発声に障害が残ってしまうことが多くあります。
しかし、早期発見・治療できれば切除範囲はごくわずかのため、発音や発声に障害は残らない場合が多いのです。
口腔がんは慢性的な刺激が要因で発生する場合が多く、発症してしまう前にその要因を発見し取り除くことが重要です。
定期的に検査をし、わずかな変化を見逃さないことで、口腔がんの早期発見と治療を実現します。
ぜひ毎年の検診をお受けください。