アマルガム除去
アマルガムとは、つまるところ「水銀」です。
水銀を口腔内に入れているようなものですので、歯には問題なくても身体に影響を及ぼす可能性が出てきます。
戦後すぐの昔からある治療法・材料であるが故に以前は保険診療として使用されておりましたが、近代では身体への悪影響の懸念から保険適応外となりました。
当院では厳重な体制のもと、安全な除去を心がけております。
当院では、アマルガム(銀色の詰め物)の除去を積極的に行っています。
アマルガムとは、水銀を50%程度含む銀色の詰め物です。
日本では1990年前後(=昭和の終わり頃)まで、虫歯治療の際の一般的な詰め物として使われていました。
アマルガムは水銀からできているため、身体に悪影響をおよぼす可能性があります。
日本では2016年にアマルガムの保険適用が外されており、歯科治療の現場ではほとんど使われなくなっています。
<アマルガムの危険性>
〜アマルガムがひきおこすさまざまな二次的悪影響〜
アマルガムは水俣病などで知られる有機水銀とは異なります。
目に見えるような致命的なダメージを与えない反面、口腔内という特殊な環境下では唾液に触れてゆっくり持続的に溶け出してゆきます。
口腔内にアマルガムがあれば体内に蓄積され続けてしまします。
体内に水銀が蓄積すると一般的には血液中のヘモグロビンと結合し、酸素運搬効率を落とすことが知られていますが、アマルガム由来の水銀は無機水銀です。
腸内細菌によって取り込まれた無機水銀はメチル化され有機水銀へと二次的に変化します。
カンジタ菌の繁殖にも影響しています。
カンジタ菌はメチル基を利用し増殖します。
増殖しながら有機水銀を無機水銀へ戻し、戻された無機水銀を利用して他の細菌が増殖するループとなってゆきます。
日本の近海は水銀汚染が多いため、食品からの水銀の蓄積も懸念されております。
さらに自分のお口の中からその何倍も多い水銀が安定供給され続けていると食に気をつけても台無しです。
口腔内にアマルガムが一度も入ったことがない人も特殊な検査で診てみると意外と水銀を溜め込んでいます。
アマルガムが1つでも口腔内にあれば水銀の蓄積はかなりの量となるわけです。
アマルガムをはじめとする水銀の体内への蓄積は二次的に以下のような症状をひきおこすおそれがあります。
・頭痛
・めまい
・視覚障害
・不眠
・イライラ
・慢性的な疲労感
・記憶障害
・手足のしびれ
・手足の冷え
・皮膚の炎症
・便秘
etc…
◎妊婦の方や妊娠を望む女性は特に注意が必要です
アマルガムは妊婦の方や妊娠を望んでいる女性にはさらにリスクがあります。
蒸気水銀が妊娠を阻害してしまったり、おなかの中にいる赤ちゃんにも水銀による悪影響がおよぶ可能性があるのです。
海外でもスウェーデンやイギリスでは政府が「妊婦にアマルガムを使用してはいけない」と警告しています。
(スウェーデン、ドイツではアマルガムを全面禁止)
<アマルガムの見分け方>
◎ご自身の歯にアマルガムが使われているかチェックしてみてください
日本では1990年頃まで歯科治療で一般的にアマルガムが使われてきましたが、2000年前後を境に日本の歯科医院ではほぼ、アマルガムが使用されなくなりました。
もし、以下の条件に当てはまる場合は、アマルガムがお口の中にある可能性があります。
・1990年~2000年以前に歯科治療を受け、銀色(鉛色に近い銀色)の詰め物を入れた。
・原因不明の症状(上の項を参照)が続いている。
◎アマルガムの特徴
1990年~2000年以前に歯科治療を受け、以下のような詰め物がある場合はアマルガムのおそれがあります。
[色]:光沢がない、黒っぽくさびている、鉛色に近い銀色
[使われている部位]:奥歯の噛み合わせ、歯の側面、前歯の裏側など
[見た目]:小さめ(かぶせ物を使うほどではない大きさ)、直線的ではない(カクカクしておらず、流体っぽい)、銀色のかたまり(粒)のように見える